東山八百伊のこだわり

熟成の逸品をどうぞ

京都のお漬けものは、なぜこんなにおいしいのですかと、
よくおたずねをうけます。

昔から、陶器の発達したところの土で育つ野菜は、
やわらかくて味がよく、したがってお漬けものもおいしいのですが、
京都はその上に、山紫水明の処といわれますように
琵琶湖を水源とする地下水が豊富ですし、一千有余年の歴史が、
お野菜の栽培、お漬けものの漬け方を、育ててきたのであります。

世界共通の言葉「古都に美味あり」を、そのままあてはめられるのが、 京都の美味の数々であります。

ところが、お漬けものは、どんなによい野菜でも、
漬ける人の良心と勤勉さによって味が異なります。
東山の八百伊さんは、その点では理想の人柄でお漬けものに一生をささげておられ、
おいしい漬けものの生まれるのもっともだと、いつも感心しております。

辻留　 辻 嘉一

東山八百伊の千枚漬

【千枚漬】とは、京の冬を彩る、伝統のお漬物です。

東山八百伊のこだわりの逸品である千枚漬は 『京の底冷え』そんな風土が育てた 聖護院かぶらを丹念に薄く切り、 利尻の天然昆布にこだわり、 家伝独自の素朴な漬け方で漬け込んだ冬の代表作です。
少し酸味の出た千枚漬と壬生菜漬とをまぜても格別です。

平成八年度・令和五年度 京都府優秀技能彰「京都府の現代の名工」を受賞した東山八百伊の自信作です。

■昔ながらの伝統の技

東山八百伊の千枚漬は昔ながらの伝統の技で丁寧に漬け込んでいます。

千枚漬の原料である聖護院かぶらは京都亀岡産です。
亀岡盆地特有の昼と夜の気温差と濃い朝霧が上質の聖護院かぶらを育てます。
かぶらの収穫ができる11月から2月までしか食べていただくことが出来ません。
ぜひこの時期に、京都の旬の味覚を味わってください。

■千枚漬の工程

1.聖護院かぶらの皮むきをし、薄くスライスします。
2.スライスしたかぶらを一樽分づつ並べ、下漬けしていきます。
樽の中に聖護院かぶらを塩を振りながら一段一段均等になるよう丁寧に敷き詰め、一週間程漬け込みます。
3.樽ごと逆さまにして塩水を切ります。とてもきれいな円柱形です。
4.余分な塩水が切れたら、いよいよ本漬けの作業です。厳選された利尻昆布と塩漬けされたかぶらを一段づつ丁寧に交互に重ね、『創業当時から受け継がれ続けている独自の味付け』で漬け込みます。
5.その後しばらくおいてから重しを、美味しく漬けあがるまで4日程漬け込めば、京都の冬の代表的な漬物である千枚漬の完成です。

懐石たくあん

茶懐石で用いられる『かくや』をアレンジした当店の看板商品です。
細かく刻まれたひねたくあんを青紫蘇、胡麻、生姜で味付けをしました。

商標登録を取得しており、唯一無二のお漬物です。

山のいもわさび風味

厳選された長いもをお出汁とわさび風味であっさりと漬けました。
ご飯のおともだけではなく、お酒にも合うようなお漬物はないかと、考案されたお漬物です。